COLUMN
「最近、足が浮腫んできて困ってるんです。だんだん足が太くなっちゃって」とおっしゃる方が多いのですが、足が浮腫むと体重も増えます。「食べているわけじゃないんだけど、コロナで歩かなくなっちゃったから太ったのかもしれない」とふくらはぎをさすりながら困った顔をしています。
どうして足が浮腫むんでしょうか?その足の浮腫みは何が原因で、何が入っているのでしょうか?
色々な本やネットに情報がたくさん載っています。そのどれもがどこかでみたようなものを使い回している感じがします。皆さんが惑わされることのないように専門の立場からお伝えしたいと思います。
最近のむくみの原因で多いのは
「筋力の低下」によるものです。
これは、コロナの影響で生活が変わり歩かない、座りっぱなし、ずっとテレビを見て、エアコンで足元が冷えていくリタイアした方に多く見られます。
まず、立ちましょう。そして家の周りを朝や夕の涼しいときに20分歩きましょう。浮腫んでいるとふくらはぎが張って痛くなることもあります。膝だって傷んできます。それを言い訳に歩くことをしなければ雪だるま式に足の浮腫みは悪化し、筋肉はどんどんと減ってきます。
そして、ついつい手元にあるお菓子を食べてしまう。ペットボトルの甘いものを飲んでしまう。スーパーの惣菜コーナーで揚げ物を買ってくることが多い。パンを食べ、乳製品を欠かさずとり、ソーセージなどの加工された肉や安い海外の肉をよく食べる。安売りのサプリメントをたくさん飲んでいる。痛み止めや血圧の薬などをたくさん飲んでいる。
するとさらにむくみが増え、体重も増えてきます。最終的に脂肪がつき、お腹の脂肪が股の付け根を圧迫し、戻ってくる足の血液を妨げてしまいます。
どうでしょう、心当たりがありませんか?
ふくらはぎは第2の心臓などと言われますが、これは正確にはふくらはぎの筋肉のことを指しています。心臓も筋肉の塊ですが、ふくらはぎもほとんどが筋肉で占められています。
少しでも筋肉を増やしましょう。それには歩くしかないのです。逆を言えば、歩けばいいだけで何かを買って飲んだり塗ったりする必要はないということです。耳障りのいい言葉で、足のむくみが治ると言って何かを買わせようとする人が多くいます。そして、それにつられてしまう人がもっといます。気をつけて下さい。薬で足のむくみを治すことはできません。利尿剤は根本的な治療ではないのです。
浮腫んで歩けないという人は、着圧の強いハイソックスタイプのストッキングを履いて歩いて下さい。一日つけているだけで、浮腫みはかなりひいてきます。そして足首が動きやすくなり、足が軽くなります。締めていると血流が悪くなると勘違いする方がいますが、そんなことはありません。
ストッキングを履き、散歩して下さい。それだけで足の浮腫みは少しずつよくなります。むくみが引いてくるとボコボコとした血管が浮き上がってくるかもしれません。その場合は下肢静脈瘤が浮腫みの原因であるため、簡単に治療ができます。浮腫みはその原因が何であるかを突き止めることが難しいのです。それには患者さんによく話を聞くことで、どんな日常生活を送っているのかを話してもらう必要があります。とても時間がかかります。ほとんどの病院ではそんな時間はないのかもしれません。しかし、生活の中に原因が隠れていることが多いので、無駄な利尿剤などを僕は処方したりしたくないのです。薬なんて飲まないに越したことはありませんから。
今一度、ご自身の1日の生活を思い出してみて下さい。そして改善できることを一つずつやっていきましょう。もしわからなかったり、つまづいてしまうようでしたら気軽に相談にいらして下さい。お待ちしております。
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