お悩み相談集

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TROUBLE

2025.05.12

湿布でかぶれた?

【症例紹介】湿布かぶれのような湿疹として現れた下肢静脈瘤の一例

今回は「湿布かぶれのような湿疹」として初めて認識された、下肢静脈瘤の興味深い症例をご紹介します。

■ 症例概要

患者: 70代 女性

主訴: 左下腿の皮膚の赤み

■ 初診時の所見

患者さんは、「今年1月から右ふくらはぎに湿布の跡のような赤みが出てきた。かゆみはないんです」と来院されました。診察してみると、以下の特徴が見られました:

  • 湿布のような人工的な紅斑と軽度の浮腫
  • 触診で軽度の浮腫感あり
  • 表在静脈の怒張がわずかに認められる

初見では単なる接触性皮膚炎(湿布かぶれ)のように見えましたが、湿疹が同部位に繰り返しており、患側の静脈の浮き出しが目立つため下肢静脈瘤による皮膚炎の可能性を考慮しました。

■ 検査と診断

実施した検査:

  • 下肢静脈エコー:左大伏在静脈に血管の蛇行と逆流所見を確認

→ 診断:下肢静脈瘤に伴ううっ滞性皮膚炎(うっ滞性皮膚炎)

■ 治療経過

初期治療:

  • ステロイド外用薬(弱〜中等度)を処方
  • 日帰りカテーテル治療
  • 患者教育:長時間の立位回避、脚の挙上

■ 考察

「湿布かぶれ」として誤認されやすい皮膚炎の中には、慢性的な静脈うっ滞が背景にある場合があります。特に高齢者や立ち仕事の方では、皮膚症状が初発のサインとなることが多く、注意が必要です。

静脈瘤性皮膚炎はステロイド外用で一時的に軽快することがあっても、原因となる静脈の逆流を治療しない限り再発を繰り返すことがほとんどです。

■ まとめ

湿布かぶれと思っていた皮膚炎が、実は下肢静脈瘤のサインだった——。

このような症例は、日常診療でもしばしば見られます。皮膚の症状から、背景にある血管の問題に気づけるかどうかが、適切な診断と治療への鍵となります。

気になる症状があれば、お早めに医師にご相談ください。いきなり診察はちょっと怖いという方は無料でチェックもやっています。どうぞお気軽にご相談くださいね。お待ちしています。

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