お悩み相談集

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TROUBLE

2024.05.31

「本当は怖い!足のむくみ」と下肢静脈瘤とは

テレビで不安を煽る番組が最近よくあります。多くは年配者の病気についてです。血栓やむくみなどのキーワードはとても身近であるためにそういったことがたくさん起こるかのように放送されます。番組はスポンサーの意図によって視聴率の取れる魅力的な内容であることを求められるので、そこには「正しさ」よりも「ウケるか」が大事なんだなと感じています。

以前、東京の表参道でむくみクリニックをやっていた頃にテレビの取材があり、たくさん喋っても「まとも」な部分は一瞬しか放送されませんでした。その代わり「用意された台本通りに読んだ」部分に関しては何度も取り直しがあり、その部分は全て放送されていました。

取材の日まで今まで書いた自分のブログを見直したり、論文を読み直したりかなりの時間を準備に割きましたがそれらは全く無駄なものでした。

テレビはあくまでエンターテイメントなのだなとそれ以来感じています。

さて、「本当は怖い!足のむくみ」と下肢静脈瘤についてですが、足のむくみ=下肢静脈瘤とは限りません。若ければ若いほどその関係性は薄くなります。逆に年齢を重ねたり、お産の数が多かったり、運動量が減り筋肉が衰えてきている場合は足のむくみ=下肢静脈瘤に近くなっていきます。

足がむくんでいても、血管がボコボコしていなければ下肢静脈瘤ではないのではないか?と思うかもしれません。これは医師についても同様です。専門ではない医師の場合は足に超音波を当てて検査をすることをしません。検査をするとしても技師さんにお願いするだけで自ら検査することはとても稀です。そのため技師さんは医師のオーダー通りに検査をするのでむくみの原因が何からきているのかを調べることができません。残念ながらそんなことをしていてはさばききれなくなってしまうからです。

通っている整形外科や内科などで、ついでにふくらはぎの浮腫みや血管を診てもらったとしても、レントゲンなどで骨や関節、筋肉を調べることはしてくれますが、それ以外のことを相談したとしても「歳だから仕方がない、圧迫する靴下でも履いておいたらいい」となり、そこで患者さんは「そんなものなのか」と医者の言うことを丸ごと信じてしまいます。

本当は怖い!のは言われたことをそのまま信じてしまうことにあります。スマホなどで自分で検索することがとても重要なのですが、残念ながら信じてしまう方の多くはスマホを持っていなかったり、パソコンで検索などをしません。

「先生が言ったから」は必ずしも正しいとは限らないのです。しかし「どこの科にかかったらいいのかわからない」と次に言われることが多いのですが、浮腫みの原因を調べるためにはまず緊急性があるものとそうでないものを鑑別する必要があるのです。

緊急性が高く、まず除外する必要があるのが心臓が悪いことによるむくみです。肺に水が溜まり少し階段を登るだけではあはあと息苦しくなる。そして足を見るとパンパンにツヤツヤと腫れ靴下の跡がくっきりとついている。押すと痛みがある。こういう場合は循環器内科にまず行ってもらえればと思います。

飲んでいる薬の副作用はないか?
→処方している内科に相談

甲状腺の機能低下や貧血はないか?
→甲状腺・内分泌内科に相談

子宮筋腫や内膜症で不正出血が多くないか?
→産婦人科に相談

最近歩かなくなった?
→圧迫の靴下を履いて20分毎日歩いてみる

それでも問題がなかった場合には血管が原因かもしれないと静脈瘤のクリニックの受診を考えてみてください。
静脈瘤よりも先に解決しておいてもらいたいことを知ってもらいたくて今回の記事を書いてみました。

 

静岡静脈瘤クリニック
院長 佐野 成一

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