下肢静脈瘤の症状について、皆さんがどのような表現をされるのかをまとめてみました。
「足の血管が糸ミミズみたいになって浮いてきた」
「足が腫れて、痛みや赤みがある」
「むくみが左側だけ出ることがある」
「すね(脛)がかゆ(痒)い」
と言った表現をされることが多い傾向にあります。
このままではどこにかかったらいいか分かりません。
皮膚科、整形外科、内科もしくは外科なのか…。
足の血管が糸ミミズのように浮いていて、見せやすい場合はまだ診察のついでに聞く事ができるかもしれません。
下肢静脈瘤という病名を最初からご存知の方は少ないのですが、
これらの症状を入力すると、下肢静脈瘤と表示されます。
そして、何とかして自分で治す方法はないのだろうか?と情報を検索されます。
なかなか治らないため、下肢静脈瘤を自分で治す方法には限界があるのでは?
と感じられることが多い傾向にありました。
このブログでも下肢静脈瘤を自分で治す方法について取り上げています。
外来の診察の際に、いつもお話をしながら静脈瘤という言葉を知ったきっかけについて
お聞きしています。
どのくらい前から、どのような症状があったのかはもちろんですが、
その方がどのようなことで長年悩み、どうして診察をしてもらうまでに時間がかかってしまったのかを知ることができるようになり、そんなに悩んでいたんだ…と共感することができるようになりました。
最近の傾向として、
下肢静脈瘤という血管の病気が血栓を作って頭に飛んだりするのでは?とか、
コロナワクチンの副作用で血栓ができやすいから不安…だったりで、
何だか怖い印象を持たれることが最近増えてきましたが、死ぬことはない病気ですので、安心して下さい。
血栓は下肢静脈瘤によって生じることはありますが、血栓ができたからといって全て重症なのかというとそんなことはありません。できる場所や大きさなどによって異なります。もちろんどのくらいの症状が出ているかも重要な指標になります。
もし、足の血栓が心配だという場合は超音波検査で診察することができます。
悩んでいるといつまでも、頭の片隅に不安が居座ってしまうため、心の健康を害してしまいます。
今は少しでも、心にかかる負担や負の情報を減らすことが先決です。心の健康を害すると、身体に必ずサインが出ます。
特にふくらはぎは身体の中で一番血流が悪くなりやすい場所であるため、一番弱い部分でもあると言えるかもしれません。つまり、今までの蓄積がふくらはぎに出やすいとも言えます。
毎日ふくらはぎに触れて診察をしていると、その方がどのような仕事をしていて、どんな食事をとり、タバコを吸っているかがわかるようになってきます。不思議に思われることも多いのですが、足に書いてあるように感じます。
ふと、足の悩み相談だと思っていたら、心のお悩み相談に変わってしまうこともよくあります。
自分の専門がどうであるとか、もはや関係なくなっていきます。
足を診察してはいますが、足を通じてその人を診ている不思議な感覚になります。
おしゃべりは少ない方がいいのかもしれませんが、それでは患者さんも僕も面白くないので、笑顔のある外来を心がけています。初めてのクリニックや病院は皆さん緊張されますので。
「病院に来て、こんなに笑ったことはありません」
と言われると、ああ、よかったなあ…と心がポカポカと暖かくなります。
そんな外来ですが、もしよろしければいらして下さい。
佐野 成一