COLUMN
長引く足の不調に悩む方へ
「夕方になると足が鉛のように重くなる」「夜中に突然の激しいこむら返りで目が覚める」といった症状で、当院を訪れる患者様は少なくありません。多くの方は、これらの症状を「単なる疲労」や「年齢によるもの」として片付け、何年も我慢して過ごされています。
しかし、その長引く不調の背景には、しばしば下肢静脈瘤という病気が潜んでいます。
私はこれまで多くの患者様を診察してきましたが、特に初期の静脈瘤の診断において、患者様が見逃しがちなポイント、そして専門医として必ず確認するべき3つの大切なステップがあるのではないかとたくさんの症例による経験から気がつきました。
【ステップ1】自己診断の落とし穴:「血管の浮き」に囚われない
下肢静脈瘤のイメージとして、「足の血管がボコボコと浮き出ている状態」を思い浮かべる方がほとんどです。その結果、「私は血管が浮いていないから大丈夫」と自己判断し、受診を遅らせてしまうケースが非常に多いのが現状です。
しかし、病気の初期に現れるのは、目に見える変化ではなく、足のだるさ、重さ、むくみ、そしてこむら返りといった「機能的な不調」です。静脈の弁が壊れ始め、血液の逆流が起こっている段階では、これらの症状が最も強く出ます。
大切なのは、見た目ではなく、ご自身の「足が発するサイン」に耳を傾けることです。
【ステップ2】他の科との違い:なぜ「逆流の確認」が必要なのか
足のだるさや痛みは、整形外科的な問題(腰や関節の疾患)や、内科的な問題(心臓や腎臓の病気)とも症状が重なることがあります。そのため、多くの方が最初にこれら他の科を受診されます。
そこで原因が特定されれば良いのですが、血液の逆流による下肢静脈瘤が原因だった場合、湿布や痛み止め、一般的な血行改善薬では、根本的な改善は見込めません。
私たち静脈瘤の専門医は、症状の原因が本当に静脈瘤にあるのかを判断するため、診察室で必ず超音波(エコー)検査を行います。この検査の目的は、単に血管の形を見るだけでなく、血液が弁から「逆流している事実」を、その場で一緒画像で確認することです。
この「逆流の確認」こそが、静脈瘤診断における最も重要な鍵であり、他の科での治療と一線を画す専門性の根拠となります。検査技師に任せているところもありますが、彼らは医師からのオーダーに沿って計測をしているため診断につながるような発言をすることができません。そのため、画像を一緒に見ながら説明することができないのです。とても残念なことですが…。
【ステップ3】「歳のせい」と諦めないでほしい
「もう歳だから仕方がない」「体質だから治らない」と、長年足の不調を諦めていませんか?
下肢静脈瘤は、適切な診断と治療を行うことで、症状の劇的な改善が見込める病気です。血液の逆流を止める治療(日帰り可能なレーザー治療や高周波治療など)を行うことで、患者様は長年苦しんでいた重だるさから解放され、夜間ぐっすり眠れるようになります。
治療後の患者様が「もっと早く来ればよかった」「旅行に行くのが苦にならなくなった」と笑顔でお話しくださるのを見るたびに、私自身、この仕事の意義を深く感じています。医者になってよかったなと。生死には関わらない仕事だけれども、生活の中の「苦悩」をひとつ取り除くことができたんだと思うと微力ながら役に立てている実感が持てます。私にとっては喜びそのものかもしれません。
もし、あなたの足のだるさやむくみが、湿布やマッサージでも改善しない慢性的なものであるなら、それは静脈瘤からのサインかもしれません。
「もしかしたら?」と感じたときが、一歩踏み出す最適なタイミングです。ご自身の足を大切にする第一歩として、どうぞお気軽に当クリニックにご相談ください。正確な診断と適切な治療で、皆様の健やかな生活をサポートいたします。
お待ちしています。





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