COLUMN
台風が接近するこの季節、湿度の上昇や気圧の変動が体にさまざまな影響を及ぼします。特に下肢静脈瘤のある方はこの時期は特に注意が必要です。下肢静脈瘤は脚の静脈が拡張し血液が逆流してしまう状態です。これにより脚がむくんだり、重だるさを感じたりする症状が現れます。さらに、放置すると皮膚の変色や潰瘍、さらには血栓のリスクが高まります。
台風で低気圧が続くと血管が拡張し、血流が滞りやすくなるため下肢静脈瘤の症状が悪化することがあります。特に脚のむくみや痛みが強くなることが多いです。低気圧が引き起こす湿度の上昇も脚の血流に影響を与える要因の一つです。湿度が高いと体内の水分が滞留しやすくなりむくみやすくなります。
また、台風時には腓返り(こむら返り)にも注意が必要です。腓返りは脚の筋肉が急激に収縮し、痛みを伴う痙攣を起こす現象です。下肢静脈瘤と関係があると思っていない場合がほとんどです。腓返りが起こる主な原因の一つは血流の不全です。台風による気圧や湿度の変化は血流に影響を与え、筋肉に必要な酸素や栄養素が不足しがちになります。このような状況では夜間に腓返りが起きやすく睡眠の質を低下させてしまいます。
台風が近づいてきたら下肢静脈瘤を予防・緩和するための対策を取ることが重要です。まず、定期的な運動が効果的です。室内ではできることが限られますが、座りっぱなしでいることなく、歩行やストレッチなど、軽い運動を行うことで血流を促進し、静脈瘤の症状を軽減することができます。デスクワークや車の運転などで長時間座っている場合には、2時間おきに立ち上がって脚を動かすことを心がけましょう。
さらに、脚を高く上げて休むことも有効です。これにより、脚に溜まった血液を心臓に戻しやすくなり、むくみの軽減に繋がります。座布団一枚程度の高さで膝からふくらはぎに入れてください。また、夜間でも着圧ソックスの使用もおすすめです。これにより脚の静脈を圧迫し血液の逆流を防ぐことができます。
加えて、腓返りを防ぐためには、マグネシウムやカルシウムを含む食品を積極的に摂ることで、筋肉の痙攣を予防する効果が期待できます。また、夜間の腓返りが頻発する場合には、就寝前に軽いストレッチを行い、脚の血流を促進することが効果的です。
台風が近づくと気持ちが塞ぎがちになりますし、足が攣ったり、こむら返りなどの痛みでストレスが重なることが多くなるかもしれませんが、これらの対策によって少しでもストレスと痛みから解放されると思います。
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