院長コラム

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2021.10.01

下肢静脈瘤を自分で治すには? その8 ストッキングについて

前回は静脈瘤をなおす靴下の選び方のお話を致しました。ふくらはぎが動きやすくなるような靴下をぜひ選んでみてください。

  1. 自分で治す=薬
  2. 自分で治す=サプリメント
  3. 自分で治す=マッサージ
  4. 自分で治す=ツボ
  5. 自分で治す=マッサージ機
  6. 自分で治す=運動
  7. 自分で治す=靴下
  8. 自分で治す=ストッキング

今回は

8.自分で治す=ストッキングについてお話しします。

ストッキングというと薄くてすぐに破けてしまうようなものをイメージするかもしれません。しかし、静脈瘤の場合はそのようなストッキングではなく、「弾性ストッキング」という「圧迫できる靴下」と言われるものになります。

圧迫すると血流がよけいに悪くなってしまうんじゃないか?と思う方も多いのですが、そうではありません。弾性ストッキングは「外側の筋肉」ともいうべきものなので、内側の筋肉と外側の筋肉でサンドイッチのように挟み込むことにより、血液をポンプで送り出すことが可能になります。足先に溜まった血液は、足が重い、だるい、階段登るとすぐに疲れてしまう、むくみやすい、足がつる、こむら返りが痛い、足がジンジンするといった症状を引き起こします。それらの症状を改善するためにも、足の圧迫は必要になります。

「寝ている時にストッキングを履いてるんですが、よくならないんです」というのは中の筋肉に体重がかかっていないためふにゃふにゃしているため、いくら外側の筋肉であるストッキングでポンプしてものれんに腕押しとなり、血液はスムーズに上に上がっていくことができません。

立っている時や、歩いている時、走っている時、座っている時などの体重が足にかかり、筋肉がパンと張っている状態が大事です。

マッサージしたり、飲み薬や貼り薬でなおったりしないかしら?とよく言われますが、残念ながらありません。

筋肉は自分で動かすことでしか、維持することができません。

電気で筋肉をピコピコと動かす商品もありますが、最低限の筋力保持のみになり、血液を十分心臓に送り返せるような筋肉にはなりません。

弾性ストッキングの仕組みについて簡単にお話しします。

ストッキングに圧力が表示されていると思いますが、先端から徐々に圧力はふくらはぎにかけて弱くなっていきます。段階的に圧力が変わっていくのです。これを圧勾配と言いますが、水の流れのように途中で圧が高いところができてしまうと、首が締まったような状態となり、足首や足の甲にむくみが発生することがよくあります。例えば、膝のサポーターを弾性ストッキングの上から着用している場合などです。

市販されているメディキュットに代表されるストッキングは、その上限の圧力が決められています。安全な範囲での圧力になっているので、どなたでも安全に着用することが可能になります。一方クリニックで処方されている医療用の弾性ストッキングは、薬の処方と同じで心臓や肺に水が溜まっていないかなどの基礎疾患の有無によって使い分けられます。例えば、心不全があって足が浮腫んでいる方にはストッキングの処方ができません。それはただでさえ弱っている心臓に足の血液を流し込むことになるので、肺や心臓に負荷がかかり、呼吸がしづらくなり、すぐに疲れて歩けなくなってしまいます。

そのため、市販のものは安全な範囲での圧迫が可能ですが、どんなに圧の強いものを購入したとしても十分な圧力がかけられないことにもつながります。「色々試してみたんですが、どれも圧が弱くって」とおっしゃる方が多いのはまさにその通りです。圧の上限が決まっているからです。

医療用の弾性ストッキングにはリンパ浮腫用のストッキングといった2〜3倍の圧のかかるものを使用していますが、静脈瘤の患者さんにはそこまでの強い圧は必要ありませんので、市販のものの1.5倍ほどの圧で十分です。どの圧が自分にちょうどいいのかわかる方法があります。それは、「履いて、立った時にスーッと気持ちがいい」かどうかです。

痛くなってしまうとか、ジンジンしてしまう状態では圧力が強すぎる可能性があります。無理に医療用の弾性ストッキングを使わなくてもいいかもしれませんね。

どうぞご自身に合ったストッキングを見つけてください。必ずしも医療用が一番いいわけではありません。その方にあった圧力であることで下肢静脈瘤を自分でなおすことができます。

自分の足がどういう状態なのか知りたい方は、無料で静脈瘤チェックをしてみてはいかがでしょうか?「足の血管はそんなに浮いてるわけじゃないけど、ちょっと気になるし、どこに行っていいかわからない」方のための無料チェックです。超音波で静脈瘤があるのかどうか、血流がどうか、血栓があるのかを簡単ではありますが一緒にみていきます。

どうぞお気軽にいらしてください。お待ちしております。平日難しい場合は10月23日の土曜日午前中に無料静脈瘤チェックを開催しますのでご利用ください。

静岡静脈瘤クリニック

院長 佐野 成一

 

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