院長コラム

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COLUMN

2022.08.15

「きたない足だから見せられない」と言う前に

「きたない足だから、見せられない」

とよく言われます。女性の気持ちとしては「こんなきたない足は先生に見せられない、恥ずかしい」という事なのだと思います。

お気持ちはとてもよく分かりますし、「意を決して来ました」という患者さんの気持ちも分かります。

当院はそのような悩みを抱えた患者さんばかりなので、ネットで見るようなボコボコとしたすごい足の方ばかりではありません。浮腫んでパンパンだったり、見た目は異常がないけれど重だるくてしょうがない、こむら返りで朝起きる時に痛くて辛いといった見た目以外の症状で悩んでいるかたの方が多いかもしれません。どの患者さんもこんな足を見せるのは恥ずかしいと思いながらも、なおしたいから…という想いが強いのだと思います。

そして、「こんな程度の足で行っていいのかしら?怒られないかな?」と思っていましたと言われることも多いので、皆さんからは敷居が高い、ハードルが高いと言われることも珍しくありません。

 

「こんな足」を僕はいつも見ています。そして、「こんな足」だとは思いません。「この足も大変だったんだろうな、何が今まであったんだろう」と思います。足に症状が出るときは体の他の場所にも様々な症状が出ていることが多いのです。糖尿病を長期間患っていたり、腎臓が悪かったり、甲状腺機能に問題があったり、薬の副作用だったり、貧血や婦人科疾患だったり、腸の病気で蛋白が上手に吸収できなかったりします。その人の人生が足に集約されていると言ってもいいのではないかと思います。

だから、「こんな足」と思わずに恥ずかしがらずに来てもらえればと思います。全ての苦労が足に出ているのです。足はそれだけ頑張って耐えてあなたを支えてきてくれたのです。足を大事にしてあげて下さい。二本の足で歩けることがどんなに素晴らしいことかはその足を失ってみないと分からないのかもしれませんが、もしそうだとしても膝で床に立ってみて下さい。その状態で日常生活から出勤、仕事をこなすことがどれだけ難しいことかがわかると思います。

足が茶色くなったり、潰瘍ができたり、血栓ができたりしても、耐えているのです。足が切られてしまうことのないように回復することを黙って目指しているのです。でも、限界があります。そして少しでも状態を良くするためにできることがまだあるのです。今は大した事がないのかもしれない。でも、その症状はよくなることはまずありません。現状を正しく理解することはとても大事なことです。目を逸らしていることの方が危険性が高いのです。

治療を終えて患者さんが口にする最も多いセリフが「こんなに簡単に治るのだったら、もっと早く来ればよかった」です。

ずっと足が不便で悩んでいて、徐々に歩けなくなってしまうのをじっと待っているだけなんて辛すぎます。ずっと座ってテレビやスマホなどの画面を眺めている時間が多いのも問題なのですけれども、少しでも元気な足になって立って歩いて、外に出てもらいたいと思います。

気に病んで長い期間悩んでいるよりも、無料の静脈瘤チェックでもいいので、気軽に相談にいらして下さいね。あなたと同じように悩んでいる患者さんはたくさんおられます。勇気を出していらして下さい。気が楽になると思いますよ。

お待ちしています。

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